朧の月に

朧の月に髑髏が笑う

ガランドウのバスが街を行く

わしが命の出迎えか

蝙蝠の幼子まだ飛べぬ

 

山の向こうで雲光る

音も無き、そのけたたましさよ

袂に寄せたは天児(あまがつ)か

犬の遠吠え、消せやせぬ

 

池の鯰がポチャリと跳ねる

鐘撞かぬ夜の心細さよ

わしが約束誰とした

心の切れ端、繕うか

 

裸電球、木の葉を揺らす

赤いポストの白々しさよ

今日も葉書を出せやせぬ

愛しいあんたの七回忌

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