ラベンダー

若々しい躍動に

ねじれくねって眠る君の横に

落ちていた詩集は

かつての僕の愛読書で

その中身のまぶしさに

一瞬目が眩んだのは

時の狭間に住む毒クラゲの所為か

春の盛りも過ぎたというのに

僕の毒針だったらしきものの昂ぶりは

尋常ならず

さだめし

屋根の上のオス猫のもだえ

冷蔵庫から冷え切らぬビール出して

おぼろの夜に

ボロボロの手記を書く

木立のフクロウが浴びせる罵声は

朝まだきの都会の夜景にまでは

とどかない

おっと、これは久々に

すずよかな風が吹く

 

どこから香るやらラベンダー

もう一度、風は吹かないか

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