「在るものが,無くなる事」






在るものが,無くなる事
そこに存在したもののエネルギーだけが漂っている。
そのエネルギーすらも切り崩しているらしい
機械の群れ
所詮,人口物であっただけに,
崩れ去るときも人工的だ。
通り過ぎる有機体の群れ
平日の午後五時の慌しさを
概ね抱え込んで
固定されているのは
「かつて」と言う名のエネルギーを通して
薄紅いに見える太陽光線だけ
機械の群れが切り崩す時
破壊を内包した衝動的な破裂音がする
が,それは,あくまでも静かだ
有機体の奏でる騒音に比べれば,
なんと遠い世界の音であることか
太陽光線が
まだ在る物に照射し
乱反射する
それが,
かつてあった物のエネルギーすらも
打ち砕く
そして
全ての音が無くなる

街という
冠詞付けられた
全ての音が



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