物想う,物想う時,真っ直ぐな一本の乾いた道が,見えるそこを歩く一人の僧侶黄色い袈裟に,托鉢椀持ち「道」を求め歩く僧侶の姿日に焼けた広い額こけた頬暗い瞳の奥に見え隠れする理想砂埃舞う袈裟の裾,翻る細めた目尻からこぼれる一滴の涙は振り捨ててきた物への郷愁か引かれる後ろ髪も無く歩く僧侶物,想う時想う物 今夜は満月らしい