「物 想う」

 


想う,

想う時,
真っ直ぐ
な一本

乾いた道
が,見える
そこ
を歩く
一人の僧侶
黄色
い袈裟
に,托鉢
椀持ち
「道」を求め
歩く
僧侶
の姿
日に
焼けた広い

こけた頬

い瞳の
奥に
見え隠れする理想
砂埃舞う
袈裟の裾,翻る
細めた目尻から
こぼれる一滴の涙は
振り捨ててきた物への
郷愁か
引かれる後ろ髪も無く
歩く
僧侶
物,想う時
想う


今夜は
満月
らしい

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