「渡れぬ鳥」
白
楽
は,
千里の馬
を知るが
千里の馬は,
白楽を知り得ない
長
い
眠
り
の
中
で
長 剣 よ 帰
ら ぬ か と,
謡
う
術
を
忘
れ
た
か
鳥
よ
2003年の夏は
君には,暑すぎる
目的も無く流離うか
夜の街を
孤高を気取るのか
小雨の一つも降れば
まだ,救われよう
しかし,軽佻なこの街の
橋の上で,君のため降る雨など無い
酔客に情熱などあるものか
誰も皆,いづれかの者に自己投影し
特別である自分の姿を追おうとする
さりとて,
長剣よ と
謡う術も忘れた
君,
何処に渡るや
君,