フェディリコ・フェリーニの映画が好きだ。
「アマルコルド」のワンシーン
精神病院に入院している兄を連れ出して,
家族でピクニック
ところが,兄が高い木に登ったまま降りてこない。
野原の中の一本の高い木のてっぺんで
兄が,「I wanna Woman !!」と叫ぶ
何とも言えず,切実で,悲しくて,優しい。
やがて,精神病院からやってきた小人の看護婦に手を引かれて,
すごすごと降りて来る。
「インテルビスタ」の
マルチェロ・マストロヤンニとアネク・エーメのシーンも最高。
フェリーニ初期の代表作の一つ「甘い生活」で
若かりしマルチェロ・マストロヤンニとアネク・エーメがダンスするシーンを
シーツに映しながら,年老いた二人が,その時のセリフを回想する。
二人の間に流れる感情は,
“あの頃は楽しかったね”でもなく,“懐かしいね”でもないんだな,
「生きる」と言う事の悲しさや,喜びみたいなものなのかな,たぶん。
ザンパーノが海辺で泣き伏す,「道」のラスト・シーン。
騙され続けた娼婦が,涙の中で,ふと微笑む「カビリアの夜」のラスト・シーン。
どのシーンも秀逸で,見るたびに,新しい感動で泣けてしまう。
お薦めです。
2003/07/30