「カラマゾフの兄弟」は三度読んだ。

とにかく長い物語で,

一度目は,ほとんど忍耐力を試しているような気分だった。

でも,誰かが書いていた,

そこには人生のすべてが書かれていると。

それを読むと人生が変わると。

バンカラに憧れる高校生だった僕は,

カッコつけたいのもあって,

分厚い本を必死で読んだ。

村の教会の長老が死んで,

体が腐っていくところしか記憶に無い。

でも,その文書の長ったらしさには影響を受け,

だらだらとまとまりの無い文書を書くようになった。

二度目は,大学の時。

ジョージ秋山の「カラマゾフの犬」と言う漫画を読んで,

何年ぶりかで取り出して読んだ。

人間の悲しみが描かれていると思った。

心理学を学ぶきっかけとなった。

三度目は,社会人になって,

サラリーマンに行き詰まりを感じた時。

いつかは,こんなすごい小説を書いて,

いままで感動した事のすべてを

他の人に分けてあげたいと思った。

それまで,

我慢して,サラリーマンやろうと思った。

で,

いまだに,我慢している。

さぞや,すばらしい話をモノにできるだろうと,

ワクワクしながら生活している。

 

 

 
      「カラマゾフの兄弟」 ドストエフスキー作
 
           ドストエフスキー
             1821年生まれ,  
             1845年:「貧しき人々」,
             1849年:ペトラシェーフスキイ事件で逮捕、
                   死刑直前、
                                     皇帝ニコライ一世の特赦で助かる。
                        1855年:「死の家の記録」、
                        1860年:「虐げられた人々」、
                        1866年:「罪と罰」、
                        1868年:「白痴」、
                        1872年:「悪霊」、
                        1879年:「カラマゾフの兄弟」、
                        1881年:肺気腫と肺出血で死亡、享年59歳。
 



2003/08/02