今は眠れ、君よ

夜更けて

見上げた空に

いつの間にやら

オリオン座が光っていた

虫の音が

風に

冷たさを

忍び込ませる

静まった街の灯りよ

ちぎれた雲の飛び行く先を

夢に見るか

幼い少女の心にかえり

父母の手に

抱かれて眠れ

人生は

これから

君に優しい

碁を打つ老人のように

静かに

静かに

君に

優しい

雨は

既にあがった

月の出ぬ夜に

輝く星が

君の

さすらう先を

見届けるだろう

せめて今

眠れ

君よ

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