この一本が

何十年ならいいのに

お前は そう言って火をつける

 

最近吸いすぎかな

体の調子がおかしいよ

 

俺は 俺の何十年に火をつける

 

俺の何十年と、お前の何十年

所詮 交わるはずもない

      

          もう、こんな朝は止めよう

 

最初から、そのつもりだったはず

もう、この一杯で終わりにしよう

俺は目を伏せて

豆をガリガリ挽きはじめる

 

戸惑う煙