「冬へと装いする君」

 

 

装いする君

を想う

 

春待つ君の

 

「ほら,あれ」

と,指差す

「あそこ,少し透明でしょ」

僕にはわからない

言われてみれば,そこだけ,雲が少し動いたような

 

そこに既に冬がいるらしい

僕には,気持ち冷たい小雨を落す

薄い雨雲の端にしか見えない

 

傘もささずにベンチにいて

水鳥の泳ぐのを見ている

傘をさしてパンを放る男

 

気配は確かに

ある

装いする君の心

を想う

 

冬の気配を感じながら

小雨の中にいる

do_pi_can   ド・ピーカン  どぴーかん  さて、これから  詩  小説  エッセイ  メールマガジン

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