「季節暮れる空」

 

金木犀の香に

酔い痴れたか

空

 

情念を

紅蓮に演じるか

 

薄紅に

消え行く想いを

演出するか

 

感情の溶け行く末に

薄暮を残して

立ち去るか

 

一条の

あなたの髪を

握り締め

今宵も

酔いつつ

膝頭を打ち鳴らし

 

嗚呼と

嘆じる

 

八日目の月の出の

早々とした白々しさ

 

暮れ行く空に

かすかに光る

肉厚

 

宵も過ぐれば

早々に

店じまいかい

 

酔い痴れた想いを

見捨てて

身を隠すのかい

 

その横を

輝きながら

飛び去るものは

希望と言うらし

 

いやいや，

たかだか飛行機

 

飛び行く先は

カナダだよ

 

 

 

 

 

 

 

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