「乱れた秋の宵の酔い」

 

 

かき乱れた雲の間から

一匹の小さな黒蝶が舞い落ちてきたので

今日は、もう,夜としよう

 

朝方の激しい雨が

空気中の塵をしっかりと落としてくれたから

突然の落日にも

都市は,驚きもせず、

秋の宵を呼吸する

 

三連休の最後の倦怠が

坂を登り切ったところで、

曲がって消えたのを,

犬の散歩途中の少年が見つけて

指差す

 

その先、

上空の揺れ動く大気に

雲が入り乱れ,

帰ろうか,このまま何処かへ行こうかと

ベンチに腰掛け激しく揺れる女心よ

揺れ間から顔を出す月の白々しい

 

とりあえず酒でもと

漸く金木犀の香に誘われたか

手を差し出す男

 

街灯

照り返す

木々の葉の揺れるに

鼓動を奪われ

夢見心地の

 

秋の宵の酔い

 

 

 

 

 

 

 

do_pi_can   ド・ピーカン  どぴーかん  さて、これから  詩  小説  エッセイ  メールマガジン

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