「逃げる事」

 

 

月灯りの

線路の上を

半透明な影がゆらゆらと渡る

 

その後を追う私

 

枕木に足とられ

それでも追うのは

逃げ出したいから

 

逃げ出したい  

逃げ出したい  

逃げ出したい  

逃げ出したい  

逃げ出したい  

 

したり顔から

欲望から

 

この世は

踏み潰すためのもの?

この世は

圧するためのもの?

 

誰もが、

軍隊のように

リズミカルに

聖歌でも歌いながら

進むのだ

そのことに,

誰も気がつかないのだ

昼間の世界では

 

だから,

追い詰められた

青い影

 

月灯り頼りに

ゆらゆらと

 

渡る

千里の

線路

 

そして

私は

夜だと言うのに

ひよどりの

さえずりに

耳を

ふさぐ

 

 

 

do_pi_can   ド・ピーカン  どぴーかん  さて、これから  詩  小説  エッセイ  メールマガジン

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