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流れて行くと言うもんだから
どこまでも
流れて行くと言うもんだから
君達について行こうと
足を踏み出したのさ
屋上にいる事を忘れてね
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茎をきざみ
葉をきざみ
花をもきざみ
春のみぞに流そうか
あふれる光につつまれて
どこまで流れていくだろう
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僕の幸福を 封筒に入れて
送りたいのだけれど
これじゃあ 少し大きすぎます
かといって、
写真じゃ平面的で動いちゃくれないし、
文書じゃとても追いつかない
窓から見える この風景を
あなたに見せられないのが、
残念です
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湿った音は 闇を重くして
蛍光灯の下で たむろする。
手垢で汚れた 木切れ一つ
思い出も持たず
懐かしむこともせず
この静寂に どうして耐えられるのか
僕には 分からない
時として笑いたい
時として泣きたい
虚ろな眼球の向こうの
交差する映像
それを眺めているのは
僕自身なのか、そうでないのか。
長い長い時の輪の
今、再びの一回りの
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光よ
僕を運んで欲しい
昔へ
ただ 昔へ
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