2015128

メンタルヘルス研修レジュメ

 

=ストレスチェックと心の健康=

<ストレスチェックについて>

私達は、身体と心の健康をベースに活動しています。

身体が不健康では、なかなか仕事も成果が出しにくいように、心が弱ってエネルギーを出しにくくても、仕事や家庭生活はうまくいきません。

身体が弱っている時には、原因を知るために、健康診断にかかったり、お医者様に検査してもらったりしますね。

そして原因がわかれば、薬を飲んだり、ゆっくりと養生したりして身体の不調を治します。

 

心が弱っている時には特に、原因が分からない事が多いのですが、心が不調であることにすら気づけない場合もあります。心の不調に慣れてしまうからです。

しかし、不調が取りのぞかれたわけではないので、徐々に心をむしばみます。

そして、いきなり壊れてしまいます。

あるいは、仕事に夢中になるあまり、自分が疲れていてつぶれそうな事に気がつけないこともあります。そうなると、せっかくの能力も満足に発揮できません。

ストレスチェックは、そうならないための心の健康診断なのです。

ストレスチェックで、自分では気づけない不調が見つかる事もあります。

不調の原因が特定できれば、あるいは、対処の仕方が分かれば、元気な状態に戻せます。

不調の程度が重いと診断された場合は、早めに産業医の先生に相談してください。

逆に、自分は元気だと、改めて確認するのも良いことです。

 

<ストレスチェックの構造>

ストレスチェックは、「ストレスの要因」「ストレス反応(発生状況)」「サポート(緩和)要因」の三つのグループのバランスから状況を探ります。

 

 

<ストレス過多から心身の不調への流れ>

 

 

=ところでストレスとは何でしょうか?=

<メダカはウツになれるでしょうか?>

 

<アメーバーにストレスはあるのでしょうか?>

 

<ストレス状態とは、どのような状態でしょうか>

私達の身体は、「生き延びる」という事だけのために作られています。

冬の到来や夏の日照りなどの周囲の環境の大きな変化や、大型の野獣に襲われる等から身を守り、生き延びるために、身体の中は一気に変化します。これがストレス状態です。そのために様々な影響を受けます。それをストレス反応と言います。

ストレス状態は、身体の中のホルモンバランスの異常などからも起こります。規則正しい生活ができていないと、身体の中はあっという間にストレス状態となります。

 

<現代社会のストレス>

昔は、生き延びられたか、不運にも命を亡くしてしまったか、私達のまわりでおこる事態はシンプルでした。生き延びられれば、危機を脱したと言うことで、ストレス状態も無くなります。

現代社会は命の危険は少ないですが、環境が複雑化して、ストレスがじわじわと私達を襲います。猛獣が、常に近くにいて、私達を見張っているようなものです。

 

<この時、脳の中では>

この時、脳の中では、常に危険信号が流れています。

私達の脳の中で最も進化し、冷静さを保ってくれている主な場所が前頭頭野(前頭皮質)ですが、危険信号を送り出す大脳辺縁系の側坐核などが暑くなり過ぎて、前頭頭野(前頭皮質)が働きにくい状況ができあがります。

 

<身体の中で起こっているストレス反応>

身体は脳からの指令を受けて、危機状態のホルモンバランスを保ちます。

その結果、

手足が緊張し、力がはいり、汗ばむ

血が一気にドロドロになる(万一かじられても固まりやすいように)

ドロドロの血を必死で身体に送りだすために心臓の動きが激しくなる

血流が脳にではなく、身体に主に向けられる(必死で逃げられるように)

胃液の分泌が抑えられ、胃壁が胃液で溶け始める

免疫能力が抑えられ、ばい菌が身体中をかけめぐる(腫れていては逃げられない?)

脳の判断能力が弱くなり、ミスや物忘れが増え始める

などの現象が身体の中で起こります。

 

<ストレス反応が長期間持続すると>

大昔のように短期間でストレス状態を解消できていれば、それは私達にとって自然な状態なので、そこから力を得ることもできるでしょう。

が、「危機的状態だ」という認識を長引かせすぎてしまった時は要注意です。

次のような状態が二週間以上持続するか、耐えられないくらいにつらい時は要注意。

すぐに医師やカウンセラーに相談してください。

 

 

=ストレスをうまくコントロールするには=

<脳の中の二つのシステム>

脳の中には「危険だ」と知らせてくれる「ホットシステム」と

冷静な判断をくだすために「ホットシステム」を制御する「クールシステム」があります。

「ホットシステム」も「クールシステム」も、私達がまだ恐竜の足元をうろちょろしていたネズミの時代から既に存在していただろうと推測されています。

 

<ストレスの理想状態>

たとえば、私達を食い殺そうとする猛獣が現れた時、即座に逃げ出すためにまず「ホットシステム」が働きます。

ただ、命を守るために瞬発的に行動するのにも限度があります。

 

<クールシステムとホットシステムのバランス>

相手の方速い場合、瞬発力だけでは逃げ切る事はできません。

そこで、「クールシステム」が働き始めて、「ホットシステム」を抑え、冷静な判断を行い、無事に危機から脱出すると考えられます。

 

<クールシステムとホットシステムの活性の状況>

私達は、身を守るために、必ず最初に「ホットシステム」を起動させます。これは宿命で、このために、「思わず・・・していた」と言うことも起こるのです。

行動するのは、「クールシステム」が起動してからにしていただきたいものです。

 

<身の危険が無くなった現代社会でもクールシステムは大事です>

現代社会においては、文明社会では特に命の危険が無くなりつつあります。

だからでしょうか、「クールシステム」が働きにくくなっているようです。

(命の危険が常にあるような場所だと、「ホットシステム」と「クールシステム」のバランスが保たれます。)

「ホットシステム」が起動しっぱなしで、身体がその影響を受け、ホルモンバランスが崩れた状態で生活をしているケースがよく見受けられます。

そのために、「イライラ」「ムカムカ」「ギスギス」がそこら中にあり、怒りっぽくなったり、塞ぎがちになったり、眠れなくなったり、食べられなくなったり、逆に食べ過ぎたりして、結果、ベッドから出られなくなったり、部屋から出られなくなったりします。

 

<明るい未来のためにクールシステムを鍛えましょう>

「クールシステム」がしっかりと働いている人ほどエネルギッシュなようです。

「クールシステム」はまた、「意志力」「自己制御能力」「共感力」の源でもあるようです。

 

 

=クールシステムは時間をかけて快適に鍛える=

<人間の98%まではサルと同じです>

サルも人間も、哺乳類という種で見るとDNAでも2%程度の違いしかありません。

サルも集団を構築する社会性の動物ですが、それは、「安全」が守られないと「社会性」の欲求は成立せず、社会性の欲求が守られないと「尊厳」や「自己実現」等という最高位の欲求は成立しません。

 

<相互支援 相互に社会的安全を実感するエクササイズ>

まず「緩める」。

ただひたすら「褒める」

 

<褒める事の大事さと注意点>

ただ、「褒める」においても注意が必要です。

 

<相互支援 相互に社会的安全を実感するエクササイズ>

さらに「緩める」

ただひたすら「緩め合う」

 

<緩め合う事の大事さと注意点>

「緩め合う」事により、セロトニンやオキシトシンの分泌が増加します。

 

<クールシステムを鍛える>

クールシステム強化呼吸法

 

<皆で「クールシステム」を鍛え合う>

ひたすら声をあげて笑う

 

 

私の話は以上です

お忙しいところ、お付き合いいただき、ありがとうございました

お聞きになりたい事があれば、なんなりとどうぞ




                


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