『君と君が飛び立つ時』


毛布とミルクの香りに包まれ、
記憶の底に眠る君と君の始まる時、
世界に向けて扉は開かれる
新しい時代の光が、
君と君の新たな記憶の中に鮮やかに流れ始め、
それは、それぞれ一筋の川となる。

それぞれの川に投げ込まれたものの多くは
愛情と呼ばれ、友情と呼ばれ、
君と君は、それぞれの川の淵で
生きる事の歓びを知り、それぞれの運命論を
紡ぎ始める。

君と君の別々の運命論には、
やがて一つになる日が用意されていたのを
知っていたか、いなかったか。
別々の運命論は、寄り添い、絡み合い、
励まし合って、一つの小さな結び目となる
そこから新しい世界の波紋が広がり始めるのだ

最初は頼り無い、すぐに消えてなくなるような
小さな波紋であるかも知れない
守り合わねば、時代の大きなうねりに
蹴散らされてしまうかも知れない
これから、君と君は、互いの掌でその波紋を大事に囲み
増幅し合える波紋を見つけたり、
追い風を見つけたりする事に
協力し合うのだ

そうして広がり行く波紋の先には、
君と君を受け継ぐ別々の君と君が待ち受けているだろう
君と君の波紋は新たな力強い運命論を語り始めるだろう
それをシナジーと言うもよし、
ある学者はブレイクスルーと言うかもしれない
その時に触れる事のできる真実は、ただ一つ
その時こそ君と君の飛び立つ時なのだ。

それが、君達のために用意された
幸せへのビッグバンなのだ。

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