「山頭火をまねて 2」



思いたる 程には仕事も 進まざり 夏の手前の 涼しき夕暮れ


明日はまた 何をかせざらん 夕景を ながめつ考える 夏風すずし


雲わきて 空覆われたる 夕暮れの 遠き街に 灯り増えたり


休日の 夕刻スーパーにぎわいて この国の平和 しみじみと知る


人々の くったくなき顔の 向こうにある それぞれのドラマ 読み解かんとす


手を上げし親子の上を飛びすぎる ツバメは旅の苦労を語れず


日も落ちて 空気ひえたる夕景に ともる灯りの ぬくもりを知る


人はみな 屋根の下にて 憩いたる  憩えぬものの 悲しみを知らず


連休も終わりて今日の日が落ちる 宵の明星 子が指差す時


ひたすらにパソコンに向かいて沈思する 外は五月の晴れの日らしい


手を止めてミルのハンドルガリガリ回す 緑にはえし 珈琲の香


センサーの提案書なり今日の作業 ツールドフランスの動画をとりつつ


五月風 ベランダの先を吹き抜けん センサー持ちて世界旅したし


ユビキタスの世界脳裏に広がりて 気持ちの中ではトルクメンにおり


いきなりの 雨ぞ一気に 空冷えて 五月空の君 頬をぬらさん


あじさいに もう一呼吸で 届けども 花言葉知りて ためらいてあり


この時期に 空より落つる 細き糸 その心知り 手にすくいてあり


音すらも 慈愛の心を 届け来ん 如来のごとく たおやかにおり


いずこからの 眼差しであるか この雨は 我落ち着きて 君の手にあり
do_pi_can   ド・ピーカン  どぴーかん  さて、これから  詩  小説  エッセイ  メールマガジン