「フジコ,俺は切れる寸前だ」

 

 

Dear Fujiko

出がけに大雨だったので,
駅まで車で送れと女房に言ったら,
ブツブツいわれて,
キレタ


(オッ,なんだか詩みたいだなぁ)


タクシー拾おうとしたが,
普段は,うんちにたかる蝿のようにいるくせに,
こんな日は一台もいない
役に立たないタクシー会社に
キレタ

朝マックしようと,
駅前の店に入ったら
ハッシュドポテトが切れてて
出てくるのに10分以上待たされて
キレタ

駅に向ったら
改札口のところで
不用意に濡れた傘振り回す奴がいて
背広が濡れて
キレタ

電車に乗ったら
通勤とは全然関係ありませんおばさんの群れがいて
気楽な話をしながら,
京都まで食事しに行くのだと言うのに,
思わず知れず
キレタ

駅の便所に駆け込んで
順番抜かされてキレタうえに,
せっかくゆっくりうんちをしているところを
外からドンドンとドアを叩く奴がいる
で,キレルかどうか考えている

腰曲げて,もれる寸前,
真っ青な顔して,
普段の偉そばったのも何処へやら
まわりの視線も気にせずに
ドアをドンドンと叩く奴

人間ってのは,
糞尿製造機だとさ
上から下に
ズドーンと穴のあいた
蠢く管なんだとさ

それ以上でもない
それ以下でもない

朝の臭い公衆トイレの中で
そんな事を考えながら
うんちと詩を
同時にひねり出していたら
何処がキレ目だか
わからなくなった

マァ キョウ イチニチクライ キレズニ ガマンシテミルカ

そんな事を考えながら
紙を探している

今日は,会社ズル休みだな


(おお,なんか おもしれぇ詩になってるじゃん)

へへ,ズル休みはしないけど,わざと遅刻するよ,よろしく。


不良中年より


 

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